用具レポート>999ELIT NANO・エコロショット

2007年12月31日 14:02:23 更新13回


午後8時到着

エコロショットはプチプチで包装されていました。更に元からビニールでも包装されています。
999ELIT NANOには小さな穴が開きザラザラしたビニールで包装されています。

世界初、ナノマテリアルを含むラバー「クーガ」。その脅威の性能は世界に衝撃を与えた・・・。
その性能を引き継ぐ「999エリート NANO」はクーガの「威力」と999エリートの「回転力」を組み合わせた、
世界初のナノテク粘着ラバーである。その新たなポテンシャルは世界に新たなる衝撃を与える・・・。


左 999ELIT NANO 右クーガ


ファルコ

ファルコとの比較




6時間後

24時間後

30時間後

48時間後
①色は?
ファルコような白いボンドのようなドロドロした液体ではなく、
グルーとまったく変わらない透明感とすこしトロっとした液体。

②臭いは?
ファルコはボンド・油のニオイが若干強かったがエコロショットでは
ファルコに近い薄いニオイでボンドのニオイはしなかった。

⑧塗り心地は?
通常のグルーと同様に塗ることが出来るが、
ハケにたっぷり液体が付くので塗りすぎに注意したい。

④どのくらいで乾くのか?
ラケット 2時間以上
ラバー 約1時間

⑤1,2,3…回塗りの効果の様子(反り返り)
1回目(1時間後)完璧に吸収したが反り返りはあまりみられない
6時間後 1時間よりスポンジに柔らか味が出てきた。反りは変わらない
2回目 24時間後 ファルコ30時間後の反り返りを24時間で達成
3回目 30時間後 反りは落ち込んだが、スポンジがとても軟化されている
48時間後 これ以上の反りはなくスポンジが軟化していくのみ

⑥弾み
グルー2回塗り>>エコロショッ>>;ファルコ>>ベビーオイル
金属音も鳴り弾みもグルーに近づいている。

⑦打球感
ブヨブヨ・ボコボコした感触がなくグルーを塗った感覚のブーンブーンという感じで弾む

⑧打球音
ベビーオイル・ファルコでは金属音を鳴らすのには難を感じていたが
、999ELIT NANOのスポンジの柔らかさのお陰もあり金属音が鳴る!

グルー後のラバー重量の増加量
60g⇒66g +6g(3回塗り)

⑩全体の感想
軟化する力が極めて強く、24時間の反りがピークでファルコより早い時間で多くの反りを出した。
また、弾みもグルーに一歩近づいており、ベビーオイル・ファルコでは金属音を鳴らすのには
難を感じていたが999ELIT NANOのスポンジの柔らかさのお陰もあり金属音が鳴った。
ラケット面の乾燥時間以外は、どれも高評価できるものでファルコと比べてコスト面が重いが、
ITTF・JTTA公認と効果を見ると若干妥当かもしれない。

また、5/25に行われた理事会では有機溶剤を含む接着剤禁止のルールを1年前倒しするという
提案が否決されたが有機溶剤を含む接着剤の公認を止め選手自身が接着剤の使用を停止する
という形になりました。

しかし、ラケット検査は2008年9月1日から開始されるので公認がなくなった。
といえグルーを使用していてもここ最近検査は行われないので

北京オリンピックなどの大会でのグルー使用を黙認することになります。
だからといって、グルーを継続していくのではなく、
いずれグルーを使えなくなる(検査が始まる)のですから

各メーカーからも水溶性グルーが発売されて
おりますのでコストはかかりますが
自分の体や周囲の人を考えて水溶性グルーを使うのをオススメします。

■従来のグルーと比較
乾き
エコロショットはファルコのような粘り気ががなくサラサラしているので乾きがとても早く、
乾き終わった後はベタツキがなくサラサラしている。(うす塗りした場合)
しかし、サラサラしているだけあり接着力に関してはファルコの方が強い。
ラケット 早 ファルコ<
エコロショット 遅
ラバー 早 エコロショット<ファルコ<ベビーオイル 遅

反り返り
ファルコ30時間後の反り返りを24時間で達成し、スポンジを軟化する効果が今までの接着剤より極めて強い
強 
エコロショット>ファルコ>ベビーオイル 弱

弾み
ファルコの独特な打球感がなくなり更にグルーの弾み・打球間に近づいている。
飛 
エコロショット>ファルコ>ベビーオイル 遅

打球音
有機溶剤を使わない接着剤で初めて金属音を鳴らしたエコロショット。
玉突きした時の音にビックリしました。
高 
エコロショット>ファルコ>ベビーオイル 低

■感想
ラケット面での乾きは遅いがラバーへの乾きは早かった。
スポンジを軟化する・弾みを向上する効力は強いが接着力・反り返りはファルコほど強くない。
しかし、スポンジを軟化する効果がとても強い。
打球音では初めて有機溶剤を使わない接着剤で初めて金属音を鳴らした。
打球間もグルーに一歩近づいており、ファルコの独特の打球感はなかった。

番外 比較
商品名 ■ファルコ ■エコロショット
250ml 250ml
価格 5000円 6090円
乾き 1時間 1~2時間
メーカー
持続時間
最高10日間
8~10日間
相性 ノングルーラバー ソフトラバー
生産場所 ベルギー製 ベルギー製
ITTF公認 ×
JTTA公認 ×
購入先 WRM 各ショップ

G666

■自己紹介・モニター環境
卓球歴   3年以上 1日平均練習時間4時間
ラケット   馬琳カーボン中国式
ラバー   フォア面で黒・2.0mmを使用
比較ラバー
キョウヒョウPRO2・キョウヒョウPRO3・ニッタクキョウヒョウ3・天極3 ・G888(紅双喜)
ニューイアラ・999T-1・未来戦士・G666・クーガ

経験のあるラバー
キョウヒョウPRO2/PRO3/Nittakuキョウヒョウ3/天極3/G888/
ニューイアラ/999T-1/マークV XS/未来戦士/G666

グルー(ブースター)
エコロショットのみ

■ブースター
ITTF・JTTA公認エコロショットで接着!
※中ペン表面サイズで
60g(開封時)⇒66g(グルーイング後)⇒40g(カット後)
クーガ中ペン全面サイズで50g

1時間後 完璧に吸収したが反り返りはあまりみられない
6時間後 1時間よりスポンジに柔らか味が出てきた。反りは変わらない
24時間後 ファルコ30時間後の反り返りを24時間で達成
30時間後 反りは落ち込んだが、スポンジがとても軟化されている
48時間後 これ以上の反りはなくスポンジが軟化していくのみ

■ラバーの特徴
粘着力はあるといえばあるが然程なく高弾性やハイテンションのような感じ。
シートは日本製だけありとてもキレイでよく出来ている。
メーカー性能では、スピード10スピン12.5
硬さは粘着ラバーの部類でとても柔らかくクーガより柔らかい

●粘着力テスト
ボールをラバー表面に擦り付け、何秒くっついていられるか?
※参考
天極3 5~8秒
ニッタクキョウヒョウ3 3~5秒
G666 2~3秒
999ELIT NANO 0~1秒

●弾みテスト
15cm上からボールを落とし何cm弾むか?
※参考
天極3 9~10cm
ニッタクキョウヒョウ3 8cm
G666 11~12cm
999ELIT NANO 11~13cm

■第一印象
スポンジのニオイを嗅いだところ薬品とゴムのニオイが強く鼻を刺激した。
スポンジは粘着と思えない程やわらかくエコロショットの吸収が驚くほど早い。
今まで使った粘着ラバーに似たラバーは無かったので999ELIT NANOに期待。

粘着力は、ペタペタといった感じで微粘着。
粘着では珍しく粒は細く長い、クーガと比べても細く長い。
スポンジはグレーで黒との配色が良くカッコイイ。
パッケージ裏の説明の様にスポンジの色・質(特徴)からしてクーガと同じスポンジを使用かと思ったが、
匂いやグルーの吸収の速さからしてクーガのスポンジを改良したものだと思われる。

打球感は粘着という印象よりノディアスなどの高弾性に近い。
スピードがあるフリックやスピードドライブがやり易い。



■技術的感想
サービス
レシーブ同様で短くキレたサーブが従来の粘着と比べて難しく感じたのがサーブをしての第一印象。
回転力豊富なサーブやトリッキーな変化サーブを出すというよりも、
スピードのあるナックルサーブや上回転・横上回転サーブがやり易く、このラバーの持ち味だと思う。

ツッツキ(レシーブ)
あまりにもの弾みで最初の方はレシーブが浮いてしまったりオーバーミスをしてしまった。
2日目からある程度、落ち着き普段のボールに戻ってきた。
粘着が程ないので凄いキレたツッツキや低いストップでのレシーブはあまり強く狙えないずらいが、
弾みが強くスピードがあるということでフォアフリックでのレシーブエース・
速い台から逃げて曲がる流しレシーブで有利な展開に持ち込みやすかった。

ドライブ
サーブやレシーブで速い攻撃を仕掛け、
チャンスと有利な展開を作り3・4球目のカーブドライブやスピードドライブで相手を仕留める事が出来た。
ドライブはやや直線的になりやすく、しっかり回転を掛けるという気持ちで打っていくと良いドライブが放てた。

スマッシュ
浮いたチャンスボールのスマッシュは飛距離が出て良かった。
しかし、打球点が中間で相手の構えている所にスマッシュすると玉が軽いのかブロックされてしまった。

ブロック
ラバー自体の弾みでブロックが飛んでいくので打球のタイミングが必要だった。
相手の強打やスマッシュの勢いを殺すブロックはこのラバーでは難しく、相当な技術が必要だと感じた。

弱点(やりにくい技術)
短いストップ
弾みやすいのと粘着力が無いので飛んでいってしまい、短く出すにはコントロール力と技術力が必要。

■最終的感想
粘着はほどんど無いと言っていい程で使って2週間でやっとペタと粘りが出ただけで
あまり粘着力は望めなかった。
粘着力を欲しいというユーザーにはJOOLA スピンマックス(赤い缶)や潤滑剤、
ベンヂンを使って粘着を出すと良い。
シート・スポンジ供に日本製でナノテクスポンジを採用しているため本当に良く弾む。
粘着ラバーとは思えないくらいスポンジがとても柔らかく同社のエコロショットとの相性が良いと感じた。
粘着力には期待できないが、弾み・柔らかさ・重さの面を見ると大変に粘着ラバーの中で優れている。
サーブ・レーシブでは速い玉が出せるため、
こちらに余裕が出来る事により3・4球目の攻撃力が向上した。

■こんな人におすすめ
前・中陣ドライブ型。
強粘着ユーザーからの転向はスピードを出すのには持って来いになるが
回転が掛けずらくなるので相当の慣れ・技術が必要になると思われる。
高弾性ユーザーでは、問題なく使用できるラバーであろう。
5枚合板ならコルベル・オールラウンドクラシック・オフェンシブ、前陣や速攻なら
カーボンラケットとの使用を推薦。
マークV XSやニューイアラなど弾む粘着の部類に入るため、
粘着を犠牲にしスピードは欲しいという人にオススメです。
999ELIT NANOよりもう少し粘着があって弾む方が良いのならキョウヒョウPRO3。


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